麻酔科を1ヵ月研修した感想(初期研修)

各診療科

私は初期研修1年目に小〜中規模病院の麻酔科で研修をしました。麻酔科ではどんな研修をするのかを共有したいと思います。

全体をとおして

マスク換気や気管挿管などの研修医が身につけるべき手技を習得でき、有意義な研修ができました。複数の診療科の手術を経験でき、手術や患者さんの背景によって、管理が異なるのが興味深かったです。麻酔科を研修しなくても初期研修を終了できますが、ぜひ研修することをお勧めします。

研修内容

手術中のこと:麻酔には導入、維持、覚醒(抜管)の3つの過程があります。導入ではマスク換気や挿管、維持ではバイタルサインや手術の進行を見て麻酔薬の調整をします。覚醒では苦痛なく目覚めるよう麻酔薬を調整し、抜管します。これらの多くを指導医の監督のもとで行いました。

手術室以外のこと:術前診察や疼痛管理について学びました。実際に患者さんに全身麻酔の説明をしたり、痛みの程度を評価したりしました。

できるようになったこと

  • マスク換気
  • アンプルやバイアルの扱い
  • 将来のことを考えられた

マスク換気ができるようになりました。研修の回りはじめの頃はマスクと顔の間からガスが漏れてしまっていましたが、後半ではコツを掴めてきました。マスク換気ができるようになったことは、大きな自信になりました。

麻酔に使用する薬剤の多くはアンプルやバイアルといった容器から目盛りのついたシリンジに移して使用します。この操作は簡単そうに見えますが、馴れていないと上手に薬剤を引けません。私は動画で予習していき、実践を重ねてスムーズにできるようになりました。麻酔科だけではなく様々な場面で役立ちます。

また、できるようになったこととは少しずれますが、麻酔科の先生とたくさんお話しし、将来のことを考えることができました。麻酔科は麻酔の維持中(手術中)は雑談をする余裕が生まれるからです。

できなかったこと・今後の課題

喉頭鏡での気管挿管が難しかったです。研修の最後に喉頭鏡での挿管に挑戦しましたが、難しかったためビデオ付き喉頭鏡(マックグラス)に切り替えました。環境が整っている手術室では挿管を経験できましたが、救急室での挿管は手術室とは環境が異なるの難しいと思います。比較的環境が整っている状況の時に実践し経験を重ねていきたいと思います。

おわりに

1ヵ月の麻酔科研修は非常に密度の濃い研修が出来ました。麻酔科は自分の医療行為がすぐに結果に現れる(麻酔薬の投与によりバイタルサインが変動する)ことや、主治医になることがほとんどなく一人ひとりの患者さんと接する時間が短いことなど、他の診療科にない特徴があります。そのためとても興味深い診療科です。この記事がこれから研修する方の参考になれば嬉しいです!

コメント

タイトルとURLをコピーしました